メトロポリタン美術館のコスチューム・インスティテュートで、「カール・ラガーフェルド:ア・ライン・オブ・ビューティー」展が始まった。ラガーフェルドの65年のキャリアの回顧展で、「線」に焦点が当てられている。ラガーフェルドがデザイン画を描く動画が流され、流れるような線を描く手の動きが、時代ごとに映し出される。展示数は約200点で、スケッチの原画が多くのルックと共に展示されている。
(ニューヨーク=杉本佳子通信員)
ラガーフェルドの描く美しい線は創造的表現の根幹であったと同時に、コミュニケーション手段でもあった。ラガーフェルドのスケッチを元にパタンナーたちが服を組み立てていったのだから、そうした解釈はいかにも理にかなっている。ラガーフェルドと共にアトリエで働いた女性たちが、ラガーフェルドとのエピソードを語る動画も楽しい。
1964年か65年にラガーフェルドがクロエで働き始めた頃に、パタンナーとしてクロエに入ったと言う女性は「よくケーキをもってきてくれた。お母さんは可愛らしい人だった。少しでも何か違うと最初からやり直さないといけなかった」と語る。
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