日本はAI(人工知能)活用が遅れていると言われてきたが、いよいよ普及し始めたようだ。NTTドコモモバイル社会研究所が春に発表した15~69歳を対象にした調査では、生成AIの利用率は51%となり、前年の27%から急増した。
最近、ある若手経営者の活用術を見せてもらった。生成AIが作成したリポートが毎朝届き、これを読むことから仕事が始まるという。部下から上がってくる日報や社外からのメール、スケジュールなどをAIが読み込み、急いで対処しなければいけないトラブルやプロジェクトに優先順位をつけて指摘してくれる。「導入してから仕事のやり方が劇的に変わった」と話していた。
一方でAI開発を巡る懸念も浮上している。英国では、最先端のAIモデルが人間を欺き、自律的にサイバー攻撃を仕掛ける事案が発生した。米アンソロピックのCEO(最高経営責任者)は今月、AI開発を抑えるよう提言し、オープンAIやマイクロソフトのCEOらも同調したと話題になった。
クラレでDX-IT本部担当のスタンリー・フクヤマさんにDX(デジタルトランスフォーメーション)活用について聞いた際、「アナログこそ大事」と意外な答えが返ってきた。AIはあくまでもツールであり、〝問い〟まで委ねてはいけないという指摘だった。AIに向き合う人間力こそ問われるということか。
