「地方に住んでいる人は、きれいな川や雄大な自然が身近にあっても当たり前の風景になっていて、その価値を実感していないことが多い」と話すのはあるアウトドア企業の社長。そうした思いから、同社は数年前から自然豊かな地方にキャンプ場やグランピング施設を作り、都心部から客を集めている。
住んでいる人には何げない日常でも、外から見れば価値あるものに映る――こうしたことは他にもある。外国人に人気のとあるブランド関係者は、訪日客が増えている背景として円安や観光以外に「街中がきれいで安全なところ」を挙げた。
確かに海外に行くと、先進国の大都市部でも公共施設や公共交通機関が汚かったり、危険だったりすることが少なくない。そのブランド関係者は「夜でも女性が一人で街を気楽に歩ける国はそうはない。こうした環境こそが日本の優位性」と指摘する。清潔さや安全性というのは日本に住む者からすると当たり前すぎて、評価されなければなかなか気付けないだろう。
「インバウンド対策」というと多言語対応やキャッシュレス決済の整備などを思い浮かべる。もちろんこうした部分を整えるのは重要だ。しかし訪れる外国人にとっては「きれいな空間で安心して買い物を楽しめる環境」も優先度が高いことを意識すべき。国・業界全体で維持できるようにしたい。
