《めてみみ》個店の判断

2023/02/07 06:24 更新


 今年の冬セールは値引き率を抑え、期間も早めに切り上げることを決めたあるセレクトショップのスタッフに話を聞いた。「路面店はそれで良かったと思うが、商業施設にある店だと難しい面もあった」という。

 その人が勤務する店が入居するターミナル駅に隣接の商業施設は、年明け2日から全館セールに入った。他店はこの時期まだまだ需要のあるダウンやウールコートなどをどんどん値引きしていたが、自店は対象を一部のトップなどにとどめ、アウターはプロパーで突っ張った。

 色々な店を見て回り、比較購買する客が詰め掛けた期間中、自店の売れ行きは当然、芳しくなかった。1週間後にアウターの値引きに踏み切ったが、すでにセール目当ての客は来なくなっていた。

 一方、そのセレクトの路面店では、同じようにセール立ち上がりの値引きを抑えたのだが、来店客の中には例年より早く店頭に出した春物に興味を示す客も一定数いたため、1月の販売は堅調だった。

 できるだけ値引きせず、服を定価で買ってもらう努力は、適正な利益を得るために大切だ。ただ、同じ商品を売っていても、店がある環境によって客層も客のモチベーションも異なる。チェーン店であってもセール時期や、いつ、何をどんな風に売るかは、個店の判断に任せた方がいいかもしれないと思った。



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