《めてみみ》リアル空間体験

2022/11/24 06:24 更新


 上海では今秋、新たに10の商業施設が開業する予定だ。既にオープンした天空万科広場、蘇州湾万象天地は、商業面積が約5万~10万平方メートルの都市郊外SCの最新版として、多くの人が視察している。

 天空万科広場は上海虹橋駅の西側の地下鉄17号線徐盈路駅直結。特徴は建物外の飲食ゾーンの充実と、半屋外にスポーツ施設を整えていること。物販テナントの核はユニクロや無印良品、ニトリなので、日本人には既視感があるが、近隣に住む若い女性や子育てファミリーが日常使えるテナントが揃う。業界関係者いわく「ディベロッパーの万科は年々商業が強くなっている」。

 蘇州湾万象天地は南京東路駅北西の蘇州河沿い。公園型でアートを多く導入。地下を掘った渓谷のような造りで、建物感がないのが独特。中国最大手の華潤置地が開発しているが、有名テナントは少なく、スポーツのほか、サーフィンやスキーなどフィットネス施設、ペット関連店、中古レコード店などが入り、アパレルも聞いたことがない店がほとんど。

 万象天地に訪れた11月半ばは、飲食店が大にぎわい。アウトドアとヨガの体験イベントも行われ、アートとともに記念撮影する姿も目立った。このまま日本に持って行っても面白いだろう。EC購買が高まる中国だが、「リアル空間体験」創造も進化している。



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