中国で8月から新型コロナウイルス感染が拡大している。直近では成都、深圳、大連で感染が広がっており、1日当たりの感染者が3ケタの成都は事実上のロックダウン(都市封鎖)となったという。今春夏は地方主要都市で中国経済を保った面があるため、仮に複数が封鎖となれば、経済全体に影響が出るのではと心配されている。
都市封鎖の打撃から3カ月が経った上海は、8月も酷暑で活気がなかった。しかし、約半年ぶりの小中学校登校日となる9月1日を前に、中旬から街に人がぐんと増え始め、最終週には主要道路が渋滞するなど21年の光景が戻った。今のところ新規感染者は連日5人以下にとどまるが、ビル入館などの防疫体制は続いている。
9月に入って台風11号が上海をかすめて通り、気温がさらに低下。これから秋冬物の販売が本格化するわけだが、中国は不動産業の停滞などもあり、アパレル市況の回復の足取りも重い。
しかし先週、日系企業の素材合同展が開かれ、「想定を超えてバイヤーが来場してくれた」と複数の企業が安堵(あんど)していた。ただし、来場者が多かった理由は「自社のある都市でいつロックダウンがあるか分からない」ため、早く素材を手当てし、生産しておかねばとの意図もあったとか。しっかり寒い冬が来て、作った服の在庫がはけるのを願うばかりだ。