7月商戦は、多くの百貨店やSCで6月よりも減収幅が広がった。新型コロナウイルス感染者の再拡大や長雨、夏に恒例の祭りや花火大会の中止…。外出機会が格段に減り、入店客数、購買客数が落ち込んだことが一番の理由だ。コスメやアロマ、家具など〝インドア需要〟は順調だったものの、分母の大きい〝お出かけ需要〟のマイナスは補えなかった。
値下げ期間の長期化も押し下げ要因。「長引くセールへの反応が芳しくない」「セール商品は見飽きた感もあり動きが鈍い」などと複数のSCが指摘している。ショップ側からすれば在庫消化が最優先でも、消費者からすれば「もう十分」なのだろう。「買い足し需要にとどまった」とするSCもあった。
一方で「新作のフォローが入った店舗は客数が上昇した」「盛夏から晩夏のプロパーで店舗に鮮度を出せていた店舗は比較的好調」。百貨店でも「若い世代を中心にラグジュアリーファッションやジュエリーなど高額品が健闘」「ラグジュアリーや宝飾などの生活に彩りを添える商品が健闘」という。
多くの地域で猛暑日が続き、8月も外出を控えさせる外的要因は減りそうもない。ただ、街では、ワンピースなど秋色の服を着ている人を割と見かけるようになった。暗くなる気分を少しでも変えたい。そんな心のうちの表れと捉えたい。