《めてみみ》税金投入の効果は?

2019/12/19 06:24 更新


 消費の落ち込みが消費増税以降、深刻だ。10月の家計支出は前回の消費増税直後を上回る落ち込み幅で、小売業の売上高も前年実績を大きく下回った。駆け込み需要の反動が継続し、11月の売り上げも厳しい。

 経済産業省は今年度補正予算案で、10月1日に中小・小規模事業者向けに開始したキャッシュレス決済時のポイント還元補助制度「キャッシュレス・ポイント還元事業」に関して1497億円を計上した。当初予算の2798億円では「足りない」ため。目的である増税後の消費の落ち込み防止と中小・小規模事業者の支援、キャッシュレス決済の浸透を「引き続き促進する」という。

 同省によると、10月1日時点で約50万店だった登録加盟店は21日に約94万店に達する。10月1日~11月25日の登録事業者のキャッシュレス決済総額は約1兆9000億円、ポイント還元額は約780億円。いずれも「当初予想を上回る」ペースだ。

 政府は軽減税率の導入やプレミアム付き商品券の配布など他にも「景気下支え」策を打っている。10月は台風19号の影響が大きく、衣料品の落ち込みは天候要因もあるとはいえ、現状では巨額の税金を投じた効果はあまりない。20日に閣議決定する来年度予算では景気下支え策で1兆円以上計上する模様。効果を出すための総合的な政策が問われる。



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