一人ひとりの顧客に最適化した接客サービスで特別な買い物体験を提供するO2O(ネットと実店舗の相互送客)が広がっている。三越伊勢丹ホールディングスは基幹店と同じレベルの接客、サービスをECや地方店でも受けられるようにビジネスモデルの革新に着手する。
店舗やECを通じた購買履歴に加え、店舗での接客、ネットで検索した商品などあらゆる顧客情報を統合することで、顧客一人ひとりに合わせる。その情報を活用し、店舗では販売員とスタッフが連携、事前に顧客の好みやニーズに合わせたメニューを用意できる。
「まず、3000万SKU(在庫最小管理単位)に達する伊勢丹新宿本店の全ての商品をECでも買えるようにする」(杉江俊彦社長)という。別館に撮影スタジオを設置し、ECで販売する商品のささげ業務(撮影、採寸、原稿作成)を200~300人体制で実施。「ポケットの中に新宿店がある」(杉江社長)将来像を示す。
基幹店と同じ接客サービスがEC、地方店でも受けられるまでには程遠い。チャット(対話)式のパーソナルスタイリング、19年春から180ブランド、1万SKUでスタートする統合コスメなどオンラインでの新事業は緒に就いたばかり。ITで膨大なデータを最適化し、「正解」を導くことが必ずしも真の正解とは限らない。