《めてみみ》出会いのデザイン

2018/11/16 06:24 更新


 東欧のファッション新興国から常夏の東南アジアまで、今や世界各地でファッションウィークが開催されるようになった。一方で、国際的な市場に影響を持つ主要都市のコレクションの位置付けは、ここ数年で大きく変わろうとしている。

 世界に最も強い影響を持つのは依然としてパリ。19年春夏もロンドンの注目の若手「マルケス・アルメイダ」がパリに進出するなど、常に新しいデザイナーを集める求心力を保つ。勢いを失っているのはニューヨーク。19年春夏は、パリに発表の場を移していた「ロダルテ」「プロエンザ・スクーラー」らが返り咲いたが、新人の台頭もあまりなく低調なイメージを払拭できていない。

 国際的にビジネスを拡大するには、パリでコレクションを見せるのが良しとされる。しかし、パリに進出したものの、思うようにビジネスが伸びず出直すケースも少なくない。ロダルテのように高いクリエイションを持っていても、それだけでビジネスが広がるとは限らない。

 今、デザイナーには、製品だけでなくビジネスのデザインが強く求められている。オリジナルの強さを売り場までどう浸透させるのか。そのために、どういう店舗デザインやウェブデザインが必要か。製品と客との出会いをデザインすることもまた、重要な仕事になっている。



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