情報通信のまるて(福岡市、手島慎平代表)は、クラウドサービスで「洋服に使うお金」についてのアンケート調査を行った。「毎月3000円程度しか洋服にかけるお金がない」と答えた人が約半数おり、以前よりも金額が減った人は65%に上った。その原因として「ファッションに興味がなくなった」「体形が変わっておしゃれな洋服が着られなくなった」などの回答が一部にあったものの、「物価上昇による支出増加、収入減少」が圧倒的に多かったのが特徴だ。20~60代の男女100人を対象に6月上旬に調査した。
洋服代減少が65%
毎月の洋服代は、「3000円以下」が49%と高く、「3000~5000円」が29%、「5000~1万円」19%、「1万円以上」は3%だった。以前に比べて洋服にかけるお金は、「減った」65%、「変わらず」31%、「増えた」4%。
その原因として圧倒的に多かったのが「物価上昇による支出増加、収入減少」。もともと洋服が好きで月に1万円以上使っていたが、今は半額以下に抑えているという人が多く、「光熱費や食費に充てるため、服飾費を減らしている」「余裕がない」と物価上昇に対する切実な声が聞かれた。
また、「今は2、3カ月に1回くらいしか服を購入していない」や「服に使える金額が減っているので、自然と服を買う頻度やブランドも変わってきている」「以前は月に1万円以上かけていたが、最近では5000円かければいいほう」「節約のため、購入する洋服の枚数が年に6着から3着程度に減った。セールなど割引の時のみ購入する」と節約傾向が強い。
物価上昇で洋服の価格は上がったかとの問いに、「高くなったと感じる」は69%、「変化を感じない」31%。物価上昇で服飾費を減らしているだけでなく、洋服そのものの価格が上がっているため、さらに購入できなくなっている実態が浮かび上がる。
消費者の味方であるプチプラファッションは「倍の値段になっている」「セール品しか買えない」と困惑している消費者が多数いる。価格が据え置かれている商品でも「生地が薄くなっている」「明らかに質が落ちている」など、以前と比べて品質が低下していると感じているようだ。
〝コスパ〟を重視
洋服はどこで購入しているかの質問では、「実店舗」54%、「通販」38%、「中古ショップ」8%。距離や時間の問題で通販(EC含む)を利用する人が増えているが、実店舗であればサイズや生地の質感を確認できるため実店舗で購入する人が多い。また、物価高の影響から中古ショップやリサイクルショップで購入する人が増えているようにみえるが、アンケートでは「中古品は好まない」「汚れていそう」という声も多く、洋服に関しては新品を好む人が多数派のようだ。
不用になった洋服は、「そのまま捨てる」51%、「買い取り店に持ち込む」22%、「通販に出品する」20%、「他人にあげる」7%。不用になったものは捨てる人とリユース品として売る人とほぼ半々。物価高のためにできるだけお金に換えている人もいるなか、「出品や買い取り店舗に持ち込むのが面倒」「ボロボロになるまで着るから最後は捨てる」という声もあった。ブランド品の洋服は出品するが、プチプラの服は売れないため、売りに出すか捨てるか両極に分かれた。
洋服に求めるものは、低価格よりも品質と価格のバランス、「コスパ」を重視する人が多数。「安い商品であれば1年もてばいい。ある程度の金額を払ったのなら長く使い続けたい」という、価格に応じた質感や着心地を求めている。洋服の値段が上がっても、「品質に応じた値段設定であれば値上げはやむなし」と見ていることも分かった。