丸井グループ LGBT就活生のスーツ選びを応援

2018/02/27 04:28 更新


 丸井グループは24日、有楽町マルイのメンズ売り場「ビサルノ」で、LGBT(性的少数者)の就職活動生や社会人を応援するイベントを開いた。昨年に続く2回目。前回は北海道や神戸など全国から足を運ぶ客もいて、イベント後も来店客があったため今年も実施した。今年はマルイシティ横浜、新宿マルイメン、なんばマルイにも開催店舗を拡大した。

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 LGBT支援の特定非営利法人リビットと共同で行った。客はリビットのスタッフと丸井の販売員に悩みを打ち明けながら、自分らしいスーツのパターンオーダーができる。丸井はメンズスーツ(身長145センチ~195センチ、ウエスト52~151センチ)だけでなく、レディススーツ(サイズXXS~8L、ウエスト55~92センチ)も加えたサイズ展開から、性別に捉われない組み合わせを可能にした。

 イベントに参加した26歳の山本さん(仮名)は、現在転職活動中のトランスジェンダー。生まれたときの性別は女性だが、今は男性として生活している。「新卒の就活のときはまだ戸籍上は女性。カミングアウトもしていなかったため、仕方なくレディスのスーツを着ていた。自分が女性であることを強烈に認識せざるをえず、とにかく苦痛だった」と話す。

 その後は男性となり、メンズスーツで仕事をしていたが「骨盤など腰回りは女性なので、既成のスーツではデスクワークが辛かった」とイベントに参加。「悩みをさらけだすことができて、服を買うことがこんなに楽しいのは初めての経験」と満足気な表情を見せた。

 イベントを企画した川瀬英里オムニチャネル事業本部メンズ課リーダーは、「様々な悩みから、買い物が楽しくないという人がいる。メンズ、レディス両方から選べるパターンオーダーはLGBTに限らず、スポーツをしている女性などにも需要がありそう」と話した。

 丸井グループは「すべてのお客様に」をテーマに、ダイバーシティー(多様性)への対応に取り組んでいる。一環として同社社員や取引先などを対象にLGBTへの理解を深める研修も実施。1500人以上が受講したという。

トランスジェンダーのお客(左)がじっくり1時間半、接客を受けた


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