丸井今井札幌本店と札幌三越を運営する札幌丸井三越は、17年度の増収黒字転換に続き、18年度も順調に立ち上がった。8月に丸井今井の南館を閉鎖するが、現在、22年度までの5カ年計画の策定作業を進めている。
同社の17年度は、売上高が前期比3.3%増の654億8800万円となり、営業損益が9100万円の黒字に転じた。丸井今井が145周年、三越が85周年とそれぞれの周年企画、インバウンド(訪日外国人)や富裕層需要の取り込みとともに、旭川、釧路、苫小牧の「イオンモール」に開設している小型店「MIプラザ」が底上げしたという。
18年度に入ってもインバウンド需要の勢いは続いており、5月までで1.9%の増収になっている。4、5月は2店で2日ずつ休業日を設けたが、休む日を分け、大通エリアに2店ある利点を生かした販促を組んで影響を最小限に抑えてもいる。
今後もこの間の流れが続くことを見込むが、8月26日に丸井今井の南館での営業を、契約満了を機に終了する。現在、下層を書店に転貸、上層にリビング売り場などを設けている。14年に丸井今井の別館、15年に三越のアネックス館を閉じており、11年の企業統合時から課題としていた多館の統合が完了する。ベッドを南館で扱う一方、寝具は一条館で扱うというような不便の解消にもつなげる。
策定中の5カ年計画の最終の22年度は、丸井今井の150周年、三越の90周年にあたる。区切りの年に向けた戦略を上期中に固める構え。無駄を省く業務改善やデジタルへの対応などとともに、駅への集中が続く札幌のマーケットにあって大通エリアでのあるべき姿を追求する。