現在、アーティストとして活動するマルタン・マルジェラによる日本初の大規模個展「MARTIN MARGIELA AT KUDAN HOUSE」が開催されている。1927年に完工した登録有形文化財の九段ハウスに、マルジェラによる現代美術作品が並ぶ。展示構成からキュレーションまで、すべてマルジェラ自身が手掛けている。5月5日まで。
マルジェラは2000年に東京・恵比寿の歴史ある邸宅に自身の店を開いた。四半世紀を経て東京に戻り、再び歴史的な場所で作品を発表することになった。古い建物が醸し出す「私的な空気感」を重視し、親密な距離感の中で作品と向き合う体験を提供する。
マルジェラは現在も、再利用、分解、変容といったテーマを探求し続けている。日常の中にありながら、見過ごされがちな物や状況を鋭く観察し、平凡なものを非凡なものへと転化する。作品の技法はさまざまで、コラージュや絵画、ドローイング、彫刻、アッサンブラージュ、映像作品などが並ぶ。
マルジェラは、「匿名性は、私の創造の自由にとって不可欠であり、プライバシーを守るために必要なものです。以前と同じように興味や強迫観念を持ち続けていますが、人間の体はもはや唯一の表現媒体ではありません」とコメント。また、「手仕事のプロセスにこだわることが、不完全やパティナ(経年変化)、未完成の美に対する私の深い愛情につながっています」と語る。
観覧料は一般税込み2500円。
