今春、マッハバールからデビューする「メッキ」は、袖を通した瞬間に高揚した気持ちを感じさせるレディスウェアだ。海外ブランドのPRなどに携わってきた宮本葉月がディレクターを担う。国内生産で素材やシルエットにこだわり、「丁寧に手を加え、加工されたものをまとうことで、より輝いていける」アイテムを揃えている。
大人の女性が着用して「自分が一番可愛い」と思えるフェミニニティーを表現するなかで、「自分が苦手と感じることに向き合ってみた」と宮本。ラッフルや変形ヘムなど、きれいに見えるバランスが難しいディテールを丹念に調整し、肩の力が抜けた印象に仕上げている。しっとりした風合いのヘビーサテンを使ったドレス(8万円)は、前身ごろの右裾で5段重なったラッフルが扇状に伸びる。1段は断ち切りで縫い付けており、一様に見えない装飾の遊びが目を引く。格子柄の生地を使ったタイトシルエットのドレスは、ウエストを切り替え、異なるピッチで寄せたアシンメトリーなラッフルをレイヤード。トラッドスタイルを軽やかに見せた。
配色にも工夫がある。タイプライターを使ったマキシ丈ドレスは、顔映りの良いミントグリーンを使い、両サイドにネオンイエローのラインを入れてスポーツムードを添える。量感があってもガーリーになりすぎない、スマートさを感じさせている。