【パリ＝松井孝予通信員】仏ロレアル（年間売上高380億ユーロ）が、ブラジル大手化粧品会社ナチュラから「イソップ」を25億ドルで買収した。売上高の3分の1を占めるラグジュアリー部門（「ランコム」「アルマーニ」「YSLボーテ」「キールズ」）に、同社最大の買収となったイソップを加えシェア拡大を狙う。
イソップは87年、美容師デニス・パフィティス氏がオーストラリア・メルボルンで創設した。植物由来のスキン・ヘアケアからライフスタイルまでハイエンドな製品を開発している。ユニセックス使用、ファーマシー的なボトル、ウルトラミニマルなブティック、そして「Bコープ認証」取得とコスメティック市場のパイオニアで知られる。22年売上高は5億3700万ユーロ。欧米や日本、オセアニアを中心に直営店275店を含む400の販売網を持つ。中国には22年進出した。
ラグジュアリー市場でビューティー分野は成長の鍵。LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトングループは21年10月にパリの美容専門店「オフィシーヌ・ド・ビュリー1803」を買収。ステラ・マッカートニーとのパートナーシップで昨秋、スキンケアラインを立ち上げた。ケリングは今年2月にビューティー部門「ケリングボーテ」を設立した。
