ロフトは既存店ベースの売上高がコロナ前の19年の水準に戻った。回復が鮮明になったのは昨年から。外出需要やインバウンド(訪日外国人)需要の回復を見込んだ品揃えの強化が当たった。特にトラベルや化粧品の品揃えの充実が、売り上げをけん引した。コスト高の影響もあり単価が上昇したにもかかわらず、客数も微増となったのも売上高の伸びにつながった。
ロフトは、バラエティーコスメの有力小売店となっている。ジェンダーレスの流れを踏まえ販売戦略はメンズ、レディスの区分けなく立てている。その結果、メンズコスメ市場育成の一翼を担うまでになった。販売はメンズ、レディスともに伸びている。トラベル用品ではキャリーケースの売れ行きが顕著で、コロナ前を上回る売り上げで推移している。
立地に合わせた品揃えや買い回りしやすい店作りにより、新店と移設店舗どちらも好スタートを切っている。福岡の天神ロフトは4月にミーナ天神に移設し、売り場面積は2254平方メートルと半分近くに縮小したが、売上高は、ほぼ維持している。広島ロフトも閉館したそごう広島店新館に隣接するアクア広島センター街に10月に移設した。売り場面積は半減し効率は大幅に向上した。
都心大型店を除いて店舗面積は1000平方メートル前後が最適とみており、大型の店舗は移設などの機会に縮小する場合も多い。国内店舗数は20年度末133店、21年度末139店、22年度末151店、23年12月末見込みで161店(海外は6店)。10月末には彦根ロフトを出したのに加え、11月23日には新潟県2店舗目の長岡ロフト、30日には新さっぽろロフトをオープンするなど地方での出店も進めている。
アプリ会員は、約600万人になった。今後は既存顧客のロイヤルカスタマー化と新規客の拡大を重点に据える。そのためにも化粧品やキャラクターグッズの一層強化と、新規カテゴリーの開発に力を入れる。