【パリ=松井孝予通信員】LVMHは3月17日、傘下「ロエベ」のクリエイティブ・ディレクター、ジョナサン・アンダーソン氏の退任を発表した。13年から同職を務め、メゾンを再生・発展させた。ロエベは売り上げ・ブランドイメージともに大幅な成長を遂げ、LVMH内での地位を高めた。後任は未発表。
アンダーソン氏は伝統的なクラフツマンシップに現代の美意識を融合させ、パズルやフラメンコなどのヒットバッグを生み出したほか、アートや建築との結びつきを強める文化的アプローチでも注目を集めた。
「この11年間、想像力と才能にあふれた人々とともに働く機会に恵まれた。どんなに野心的なアイデアでもイエスと言ってくれたことに感謝している。ロエベの物語はこれからも続き、私は誇りをもってその成長を見守る」と、アンダーソン氏は声明で述べた。
シドニー・トレダノLVMHファッション部門特別顧問は「彼が築いたクラフツマンシップに根ざす豊かな世界は、退任後もメゾンの発展を支え続けるだろう」とアンダーソン氏の功績に敬意を表した。
同氏の退任は以前からうわさされており、仏ル・モンド紙は「より大きなメゾンを率いる野心があった」と指摘。また同紙は、「クリスチャン・ディオール」のウィメンズとメンズの両部門を統括する初のディレクターに就任するか可能性があると報じている。