ロコンド EC支援サービスを拡大

2019/01/16 06:27 更新


 靴とファッションのECサイトを運営するロコンドは、ブランド直営EC支援サービスを拡大する。実店舗との在庫連携・在庫共有・店頭のPOS(販売時点情報管理)からCRMマーケティングまでワンストップで行えるシステムを自社開発し、ファッションブランドのオムニチャネル戦略を実現。同社の商品取扱高の伸びにつなげる。

(疋田優)

 新サービス名は「BOEM2.0」で11日から提供を開始した。サービスの主な特徴は、システム利用・カスタマイズ対応から商品物流までワンストップで対応。「ロコンド」の新機能とささげ業務(撮影、採寸、原稿作成)のデータなどの無償利用、店舗や他ECモールとの在庫共有、キャッシュレス決済対応、全販路のデータを管理できる基幹システムと卸向け機能(現在開発中で春に投入予定)で、これらをパッケージ化して展開する。

 多販路展開する年間売り上げ数十億~数百億円のファッション小売店を展開するブランド・企業を対象に広げていく。

 すでにサービスを提供している「BOEM」は現在、約20社のブランド直営ECサイトを支援しており、同事業の今期の商品取扱高は第3四半期までで約10億円で、当初計画を下回っている。

 ただ、「システム開発と物流内製化は大きな強み」(田中裕輔社長)とし、ここにきてエンジニアも二十数人に増強した。ブランド・ショップごとにシステムをカスタマイズして提供、物流対応までスピーディーに行える強み、あらゆる顧客接点でデータを取得・分析できる機能をアピールし、「自社EC機能を国内トップクラスに持っていく」考えだ。

◆商品取扱高46%伸び

 同社の18年度第1~第3四半期(18年3~11月)は、返品後商品取扱高102億7400万円(前年同期比46%増)、売上高48億2700万円(72%増)と大幅に伸びた。テレビCMで靴ECサイト「ロコンド」の認知度が上がり、ロコンドの取扱高は72%増、EC事業全体の取扱高は62%伸びた。

 一方、3カ年事業計画で目指している今期の商品取扱高150億円には若干進捗(しんちょく)が遅れている。マガシークとの在庫共有の遅れ、シャディのEC支援開発の遅れなどが要因。これらは直営EC支援企業の拡大で巻き返す。

 テレビCMの効果は想定以上で、購買単価の伸びにつながっている。関東・関西では認知度がF2層(35歳から49歳までの女性)でゾゾタウンに次ぐようになった一方で、「自宅で試着できる」サービスはまだ知られていないため、今後も広告を打っていく。

 営業損益は広告投資のため6億4600万円の赤字。連結対象となったMisuzu&Co.(旧・三鈴商事)は物流コスト削減などで赤字を解消した。



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事