国内のレディスシューズブランドの25年秋冬は、異なる要素でコントラストを利かせたデザインが広がった。季節に関係なく着用できるトラッドスタイルやショートブーツが増えている。現代的な美しさを感じさせる要素として、ミニマルなラインの出し方がカギとなっている。
(須田渉美)
ローファーやメリージェーンなどなじみのあるアイテムを変化させるデザインが目立つ。
「カチム」は、紳士のドレスシューズのラストに、ローファーのディテールを融合した。ラウンドしたモカ縫い風のディテールと、シャープなトウラインがコントラストを成し、スマートさを感じさせる。直線のカットでサドルをすっきりと見せ、現代的なエレガンスを表現する。

「ヘンリエンヴァーゴ」は、マスキュリンスタイルを女性らしさが際立つカットやテクスチャーで見せた。新型のローファーは、スクエアトウを薄く繊細にかたどった。パンプスの手法をアレンジして、履き口の外側に曲線のカットを取り入れて女性らしさを感じさせる。同様のスクエアトウのミドル丈ブーツは、毛足の長い加工革で優しい雰囲気に仕上げた。