印刷大手の共同印刷(東京)は、合繊に蓄熱機能を付与できる高機能ペレットを開発した。特殊印刷用で実績のある高機能材料を活用し、異業種の繊維アパレル用途に転用した。
同ペレットに使用する蓄熱機能剤は、住友金属鉱山が発明した六方晶タングステンブロンズのナノ材料「CWO」で、優れた近赤外線吸収能力が特徴。ポリエステル、ナイロンといった溶融ポリマーに少量添加するだけで、太陽光の近赤外線を吸収して熱エネルギーに変える蓄熱機能繊維が製造できる。
添加量を任意の濃度に設計することで温度上昇をコントロールすることが可能。原糸の色や加工適正への影響もほぼなく、染色生地のバリエーションも白など淡色から黒まで幅広く対応する。
蓄熱機能のほか、赤外線吸収によって赤外線盗撮を防止することもできる。
同社は今後、このペレットを国内外の繊維メーカーや商社に販売し、用途拡大と最適な生地設計に取り組んでいく。