クラボウは特定の作業現場に向けたユニフォーム用素材・製品の開発を強化している。各現場のワーカーにとっては必要性の高い商材のため引き合いが増えてきた。
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半導体など電子部品を扱う工場で感心が高まっているのが制電素材「エレアース」。高い制電性を備える綿・ポリエステル混素材で、芯にポリエステル、鞘(さや)にカーボンを使った制電糸を生地の両面に格子状に配列し、縦、横、斜め方向に高い導電性を備え、ウェアの静電気を緩和して帯電を防ぐ。
エレアースは静電気から電子部品を保護するための国際規格「IEC」に対応する。同規格に対応する素材は大半がポリエステル100%だが、エレアースは綿によるソフトな肌触りを訴求する。同社は「外資の電機メーカーはIEC対応が必須。そのサプライヤーにも対応が求められる」として、電子部品工場内の梱包(こんぽう)や搬送作業を担うワーカーのユニフォーム用途で採用が進んでいる。
防炎・静電気帯電防止素材のロングセラー「ブレバノ」は、綿と防炎性を備えたモダクリル繊維、静電気帯電を防ぐ導電性繊維を複合。火に関わる可能性のある作業現場で引き合いが増えている。
サポーター一体型ウェア「CBW」(税込み4万4000円)は、日本シグマックス製のサポーターユニットの一部をパンツの内部に組み込んで一体化した。運輸や倉庫、製造、農業など体に負荷のかかるワーカーを対象に開発。「CBWは電動アシストスーツと比べて低コストな上、ベルトでサポートの強弱を簡単に調節でき、着用したまま動ける」というコストパフォーマンスの高さに注目が集まるようになってきた。
暑熱リスクと体調管理が目的のシステム「スマートフィット・フォー・ワーク」は、多様な作業現場のニーズに対して他社製も含めて様々なウェアラブルデバイスを提供できるサービスが強み。今年は高精度なセンシング技術を持つミツフジと共同開発したSIM搭載のスマートウォッチ型をラインナップに加え、その手軽さが好評という。
各商品は、11月2日まで東京支社が入る新橋の東京美術倶楽部ビルで開く展示会で訴求する。11月1日には関連セミナー(予約制)と懇親会も予定している。