小高一樹代表自身が手掛ける「アジャスタブルコスチューム」は1940~60年代のクラシックスタイルを提案するメンズブランド。ビンテージを手本にオリジナル開発した生地で独自の世界を表現する。
英国で150年続くシルクプリント企業の30~40年代のアーカイブから別注した生地でネクタイやストールを作ったり、1800年代のフレンチワークのカバーオール向け生地を再現してキャスケットに使ったりする。「ビンテージをアップデートした生地と自分のデザインを融合し、年代とか、米・英・仏のどこのスタイルとかを限定しないクラシックを提案したい」と考える。テーラードを強みに、小物や洋品などでブランドらしさを出す。
クラシックスタイルのパンツにはサスペンダー仕様が不可欠。生産を依頼していた工場も廃業したため、新たな取り組み先に変更した。「国内のものづくりの現場は職人の高齢化が進んでいる。昔から引き継がれてきた希少な技術を残すためにも、ブランドを継続することが大切」と強調する。「クラシックスタイルは普遍的でトレンドに左右することがない。最近では若い世代にもファンが増えており、マニアックなものづくりを追求していきたい」という。
■小高一樹(こだか・かずき)
アメカジメーカーなどで経験を重ね、独立後11年に小高企画を立ち上げた