近鉄百貨店、FC事業をさらに拡大 ファッション分野も視野に

2024/01/26 06:29 更新


不二家とのFC契約で開発した「ペコリシャス」。こうした独自業態も開発していく

 近鉄百貨店は、FC事業をさらに拡大する。23年に本格的なレストラン事業を開始、カインズとホームセンターのFC契約を結ぶなど業種を広げ、22業種59店となった。収益に貢献しており、ファッション分野も視野に入れて今後も業種・店舗数ともに増やす。

 レストラン事業は、ベビーフェイス(奈良)とのFC契約による「ベビーフェイススカイテラス」で始めた。あべのハルカス近鉄本店のレストラン街に23年12月、アクアプランネット(三重県松阪市)とのFC契約でイタリアンレストラン「トウキョウメルカート」、24年1月に「洋食屋伊勢十」を開設した。また、23年9月に洋菓子の不二家とFC契約で新開発した食物販「ペコリシャス」も同店に設けた。今春も出店計画が複数あるという。

 FC事業売上高は、24年度を最終年度とする中期経営計画目標の150億円を23年度で達成する見通しだ。24年度の開発・出店計画も「80店まで出来ている」(梶間隆弘取締役常務執行役員営業政策本部長)状況で、24年度は200億円規模を見込む。

 コンビニエンスストアから開始したFC事業は「ハンズ」、ベーカリー、グロサリー・日配品、眼鏡、カフェ、フィットネス、ドラッグ、ライフスタイル雑貨などと業種を広げてきた。19年度の売上高約80億円で社員約100人体制から、23年度は150億円で300人体制となった。急速な拡大は「高収益」だからだ。管理部門分担費用などを除いた「直接(営業)利益率は10%以上」(秋田拓士社長)という。

 館の魅力化や独自性にもつながるため、〝FCフォーマット〟の充実をさらに進める方針で、まだ手掛けていない衣料品や靴、アクセサリーなどファッション分野も対象にする。将来は複数のFCを組み合わせた外部出店なども検討、FC事業の売上高目標400億円の早期達成を目指す。



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