通勤電車でおにぎり?(藤永幸一)

2016/05/25 00:00 更新


ある朝、通勤時間帯でも一番の混雑ピークである、8時台の田園都市線渋谷方面急行の車内での一コマです。

その女性は、大きなバッグを肩から下げ、吊革につかまり通路中ほどに立っていました。すると、バッグからコンビニのおにぎりを取り出し、パクリと食らいつきました。焼きシャケの匂いが!

片手でおにぎりを掴み、ぱくつき、半分ほど食べるとバッグにしまい、今度は携帯を取り出し、LINEに夢中。次に、またおにぎり。そしてペットボトルでお茶を飲みました!

 


 

マナー云々を言うつもりはありません。匂いを除けば、迷惑をかけている訳ではないかもしれませんし、ネットで「社内の飲食」について調べてみると、「おにぎりまではOK」というのが一般的な評価のようです。ですから、マナーがどうのと言うつもりはありません。

そうではなくて、ちょっと気付いて欲しいのです。

もともと、「食する」と言う行為は、生殖につながる、もっとも「無防備」で生々しい行為です。だから、食事やテーブルマナーなどは、「他人」が見ても「生々しい」不快感を持たぬようにと、うるさく「躾(しつけ)」られました。食べるということは、「生々しい行為」なのだということを忘れてはいけないと思うのです。「人前」でキスをして、愛撫をするのと同じこと。

ならば、清々しさを漂わせるくらいに、颯爽とカッコよくやってほしいわけです。いかにも、「時間がなかった」風のみすぼらしい食べ方、品のない口の動かし方、ご飯粒を触った手で平気で吊革をつかむ無神経。

要するに、きわめてみっともない。マナーが悪いのではなく、「人前で食する」所作をわきまえていないレベルだから、困るのです。おにぎりはよくて、サンドイッチはどうか?・・・などとアイテムで線引きするのは、おかしな話です。

「人前」で素敵にキスができる、振る舞える。ヘアスタイルや化粧も決まっていて、所作も申し分がない!観ているほうが唸るくらいにカッコよく食べてもらいたい。

彼女の隣の新入社員とおぼしき若い女性が、見て見ぬふりをしながらも眉をひそめていました。彼女の目にも、だらしなさは伝わったようです。



20年のアパレル体験で痛感したこと=仕事の悩みは、本当のところ、「人間関係」。2000年に、「レックス」を設立。「仕事を楽しむスキル」を学んで、「元気な現場」をつくるサポートをスタート。自分が「楽しい!」と感じれば、相手にも好感度が伝わる!大手アパレルとの長いお付き合いで、スキルは常にバージョンアップ中!



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