スタイルということ(藤永幸一)

2014/02/02 00:00 更新


昨年の春から、接客研修では、「これからは、アイテムを売るのではなく、スタイルを意識して接客するほうがいい」ということを言い続けています。お客様に、スタイルの提案をしようということです。

そもそも、「スタイル」という概念は何なのか?ということから、話を始めてきました。

この頃の若い世代は、「スタイル」という通過点を知らずに、なんでも、「かわいい!」という一言で済ませてきている感じがあります。

「スタイル」=流行りもの。はやっているものだから、友達と一緒になれて、安心できる。そんな考え方にまとまっているような気がします。

本当の「スタイル」には、考え方、感じ方、生き方など、もうちょっと深い部分で、マインドに働きかけてくる要素があります。それは作り手の意志であったり、ブランドの理念であったり。それを、知らずに育ってしまっているのは、もったいないことです。

では、「スタイル」を追求する接客とは、どのようなものなのか?

提供しているスキルをどのように活かすのか?

これが、従来のスキルを実践編でバージョンアップしてきた切り口になりました。

先週行われたIFFでも、「アイテムから、スタイルへ」という姿勢が明確でした。ファッション雑誌も、同様の傾向が見えます。さて、現場が追いつけるか?

久しぶりに御殿場のプレミアムアウトレットに行ってきました。店舗内容、数がさらに充実し、合わせてゾーニングにも修正がかけられていました。

いろいろと感じることがありました。

「売れる商品」を、早く、安くつくることが競争の切り口になり、一方で店舗数が増え続けた結果、アウトレットに持ち込まれる商品量は、十分に潤っている印象です。とにかく、「豊富」!

ただ、店頭から眺めるだけで、その「匂い」が伝わってくるブランドと、なんとなくごちゃごちゃと商品だけが目立つ店の違いが明確です。そして、前者は、ほとんどがグローバルに展開している海外ブランドです。

国内ブランドでは、ごくごく一部。そして、そのブランドは、プロパー店舗もきちんとブランドらしさを伝えていることは言うまでもなく、アウトレットでも、商品のカテゴリーに迷いがありません。本当の意味での、掘り出し物=アウトレットの買い物の愉しさに出会えるチャンスがあります。

普段、ブランドとか、スタイルという学習経験が少なくて、アウトレットにきても、アイテムのカワイさで買ってしまうと、スタイルのセンスが育つはずもありません。「大人」へのステップが、必要です。



20年のアパレル体験で痛感したこと=仕事の悩みは、本当のところ、「人間関係」。2000年に、「レックス」を設立。「仕事を楽しむスキル」を学んで、「元気な現場」をつくるサポートをスタート。自分が「楽しい!」と感じれば、相手にも好感度が伝わる!大手アパレルとの長いお付き合いで、スキルは常にバージョンアップ中!



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