身の丈にあった仕事(藤永幸一)

2014/01/23 00:00 更新


個々には、きちんと仕事をしているのに、全体でみると、不都合が生じてくる。そして、個々が苦しむ結果を生む。それが、さらに、全体を低迷させるという図式があります。

アパレルなどの店舗開発という仕事。ほとんどのところが、「業績」は、「営業面積の拡大」=つまりは、どれだけ新しい物件を押さえたかで評価されるようです。新しい物件をとるとなれば、その商圏の成長性や他社の動向、社内ブランドの成長などメリットを幾重にも重ねて、「稟議」にかけていきます。人気物件になるほど、投資がかさみ、その投資を回収すべく、「実態」とはかけ離れた予算が組まれます。デベロッパーサイドにしても、その物件の成長性・優位性を謳いますから、文言には困らない!

開店後、予算をクリアすることができずに、もがき、「課題店」の仲間入りという目に会う店も出てきます。3年目にもなれば、実態ベースの予算組に落ち着き、話題に上らなくなります。仮に、新しい館が絶好調となれば、既存店が苦しむ羽目になります。

消費者の購買力を上回る店舗出店を繰り返し、「ブランド商品」供給過多の状況を自らつくりだし、自ら課題店をつくり、「対策」に走り回る。

必要以上の店舗出店で、急こしらえの「店長」がたくさん誕生し、既存店舗の「チーム人材力」も薄まっていく。

必要以上の店舗数の初期店頭在庫のために、お金を使ってしまい、期中のアレンジ力が弱まり、不振商品がたくさん残る。

これらが相まって、結局は、価格セールに頼る処理をする。これが、さらに、店頭力を弱める!スタッフのモチベーションは落ちる。客の期待も弱まる。

こういう負のスパイラルが渦巻いているように感じます。

 一つの店を出す時には、一つの店(=不振店)を閉めるくらいのバランスが大切なのですが、こういうことができない環境です。店舗開発というのは、新規店舗の開発と同時に、不振店舗の退店交渉もやって、「適正規模」による「適正売上」を確保する・・・くらいの考えを持つ方が理にかなうと思います。

「規模を拡大したい!」という経営TOPの想いが不変だから、なかなか現場が活性化しないようにも感じます。そろそろ、「規模は拡大するもの」という前提をこそ、変えなければいけないはずです。確かに、以前のアパレルは、「作れば売れる」「店を出せば売れる」という時代でした。いまは、違います。もういい加減に、「安ければ売れる」からも卒業して、「ブランド」を追求するシンプルなスタンスに切り替えてほしいものです。

でなければ、人が育ちません!

これからは、「出店」力よりも、「退店」力が物を言うかもしれません。



20年のアパレル体験で痛感したこと=仕事の悩みは、本当のところ、「人間関係」。2000年に、「レックス」を設立。「仕事を楽しむスキル」を学んで、「元気な現場」をつくるサポートをスタート。自分が「楽しい!」と感じれば、相手にも好感度が伝わる!大手アパレルとの長いお付き合いで、スキルは常にバージョンアップ中!



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