【パリ=松井孝予通信員】仏ケリングは、ビューティー部門として「ケリングボーテ」を設立する。新部門のCEO(最高経営責任者)に、ラファエラ・コルナッジャ氏が就いた。同氏はロレアル、シャネル・パルファン・ボーテ、エスティー・ローダー、トム・フォードビューティなど大手企業で3大陸にまたがり要職を歴任してきた。豊富な経験を生かし、同グループの新しい専門分野を構築していく。
ケリングはビューティーを新戦略の市場とみなし、グループ傘下メゾン「ボッテガ・ヴェネタ」「バレンシアガ」「アレキサンダー・マックイーン」「ポメラート」「キーリン」のビューティー商品の開発に取り組み、グループ全体の価値向上と成長を促進させる方針だ。
ビューティーの世界市場は22年にコロナ禍前の水準を回復し、成長が期待されている。仏LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンが出資する「ステラ・マッカートニー」は昨年夏、ビーガン処方のスキンケアラインを立ち上げた。
ケリングは99年に買収したイヴ・サンローラン・ボーテを08年にロレアルに10億ユーロで売却した。現在「グッチ」をはじめ傘下メゾンの香水のほとんどのライセンスを持つ米コティとそれぞれの契約が終了次第、ケリングが事業を吸収するものとみられる。