京急電鉄 「ラクシスフロント」がグランドオープン

2020/08/07 06:28 更新


 京急電鉄は、6月29日に全面供用を開始した新しい横浜市役所内に商業施設「ラクシスフロント」を8月5日、グランドオープンした。同社が駅を含めた自社物件以外に商業施設を開発したのは初めて。

 市の方針に沿って、市の職員や来庁者の利便性向上を重視しながら、「横浜らしさを発信」(藪下拓也生活事業創造本部リテール事業部課長補佐)し、開発が進むみなとみらい21(MM21)地区の居住者や来街者の取り込みを狙う。

 みなとみらい線馬車道駅直結で、JR・市営地下鉄桜木町駅から徒歩3分の場所に位置する。市役所内の1~2階に延べ床面積約3000平方メートル(後方施設部分を含む)の施設を設けた。6月29日に先行オープンした5店と8月17日にオープンする丸善ジュンク堂書店の書籍・文具・カフェを融合した新業態「HAMARU」(ハマル)を含め、19店が入る。

 飲食店の充実やコンビニエンスストア、ドラッグストア、ヘアカット専門店などの導入で、約6300人いる市職員や1日3000~4000人という来庁者のニーズに対応する。同時に、横浜を中心とした神奈川県に本社がある店舗を10店、地元店を含む新業態を5店揃え、「横浜らしさとMM21エリアにないものを発信」し、市役所が休みの土・日曜日を含め、幅広い来街者の需要獲得を狙う。

 1階には京急ストアが運営する食品スーパー「もとまちユニオン」がプロデュースし、同店を含む地元店を中心に6店が入るフードホールを設けた。2階には横浜に関連した和雑貨主体の「SUI」(スイ)の初の常設店、横浜土産を集めた「ヨコハマメモリーズ」などを入れた。施設の近接地に三井不動産グループと丸紅が1174戸の高層マンション、ホテル、商業・文化施設で構成する大型複合施設を開業するなど周辺の再開発が活発になっている。今後、「商店街も含めてエリアとの連携施策も行う」方針。

 コロナ禍が落ち着いた段階で、年間売上高20億円を目指す。

オープン初日は近隣住民を中心に多くの客が来館した(1階フードホール)


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