買取王国の教育制度 上司・新入社員を入社前にマッチング

2025/05/13 06:28 更新NEW!


入社後に、ペアとなって働きたい先輩社員と内定者を互いに選び合うマッチングキャンプ

 買取王国(名古屋市)は、22年度から独自の新人教育制度「GUTs」(ガッツ)を開始し、離職防止や社員の成長機会につなげて成果を上げている。主には上司と新入社員を入社前にマッチングする制度で、制度開始前の22年2月期に13.0%だった離職率は25年2月期には6%まで減少した。

 ガッツは22年に開始した。「新卒社員が3年で店長になることを目標とした教育制度」として始まり、全部で5段階からなる。

 特徴的なのはステージ1の新入社員と、その指導をする先輩社員のマッチング制度。内定者と先輩社員とで、3月中旬に1泊2日の合宿に出かける。合宿での交流を経て、ペアを組んで働きたい相手を互いに投票し、できるだけ相性の良い者同士でマッチングするというもの。

 嶋本匡能社長が「上司ガチャ」などの言葉に違和感を覚え、「誰と働きたいか、自分で意志決定してもらいたい」と感じたことがきっかけで独自の制度が始まった。新入社員のほか、入社志望者からも評判が良いという。

 新入社員の働きやすさ向上に加え、一番の狙いは先輩社員に「責任を持って部下を教えてもらうこと」と嶋本社長は話す。指導する新人を選ぶという「自己決定がはさまることで、更に責任感が高まる」とする。

 制度開始後は狙い通り、2年目社員の成長スピードが加速した。店長になるまで通常5、6年かかるが、25年2月期には入社3年で店長になる社員が4人でた。

 ガッツのステージ2以降は2年目以降の社員向けに、見やすく探しやすい売り場作り、フロアコントロール、マネジメントなどの座学・実地研修を実施している。

 それぞれの段階をクリアした経験者が、一つ下の段階の人を指導する仕組みで、「教えながら復習できる」のが魅力という。



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