韓国科学技術院 バイオベースのナイロン6、66の原料開発 大腸菌を使い2段階で

2026/06/09 11:00 更新NEW!


バイオディーゼルを製造する際の副産物、グリセロールを炭素源として開発した(韓国科学技術院)

 韓国の国立教育機関、韓国科学技術院(KAIST)は、大腸菌を使った微生物発酵によって、バイオベースのナイロン6およびナイロン66の原料製造技術を開発したと発表した。

 生命科学工学科のイ・サンヨプ教授らのグループが研究を行い、論文が5月4日の米国科学アカデミー紀要に掲載された。研究チームはバイオディーゼルを製造する際の副産物であるグリセロールを炭素源に、2種類の大腸菌による2段階プロセスを開発し、6、66の原料を効率的に得ることに成功した。

2段階プロセスで効率的にナイロン原料を生成

 1段階目の上流モジュールはグリセロールからアジピン酸を生成するように設計した。アジピン酸はナイロン66の原料モノマーの一方であると同時に、もう一つの原料であるヘキサメチレンジアミン、ナイロン6原料のカプロラクタムを生成することも出来る。第2段階の下流モジュールでは別の大腸菌株を使い、アジピン酸からそれぞれを生成するように設計した。

 生産効率を上げるため、大腸菌の発酵を促す酵素の組み合わせを検討し、AI(人工知能)も活用して酵素の性能を向上させた。これにより、アジピン酸は培養液1リットルあたり6グラムの濃度で生産できた。2段階目のプロセスではヘキサメチレンジアミンは同230ミリグラム、カプロラクタムは同808マイクログラム生産できた。

 研究チームはさらに高効率な生産や、様々なポリマー原料に拡張する計画。

 一般的な合繊・合成樹脂は石油由来で作られる。カーボンニュートラルの観点で石油を使わない合繊が注目されており、最近では東レがバイオベース100%のナイロン66のプロセスを確立したことを発表している。



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