JTBは「丹後織物桃源郷プロジェクト」を今秋から本格化する。同プロジェクトはJTB、京都府丹後広域振興局、観光振興に賛同する丹後織物機業が、観光による京都・北部地域の振興を目指すもの。観光振興による地域活性化には消費額を増やすのが重要になるため、一般的な土産物ではない商品として、丹後の伝統産品「丹後絹織物」に着目、独自に開発した商品を販売する。
JTBは、15年から京都府が推進する「海の京都」の観光振興に取り組み、京都府北部の日本海に面した丹後地域に宿泊するツアー「エースJTB」を企画販売するなど観光を軸とした交流人口の増大を図っている。
そうしたなか、昨年「丹後織物桃源郷プロジェクト」を立ち上げ、パリのデザイナー、マチルダ・ロザンヌ・プレジオン氏がデザインしたストールを、丹後織物機業5社(民谷螺鈿、山藤、創作工房糸あそび、安田織物、田勇機業)が自社技術で製品化(1万8000~5万7000円)した。JTB東梅田支店や丹後の夕日ヶ浦温泉「佳松苑」などで今年1月から3月の約2カ月期間限定でテスト販売し、実績を作った。
今秋にはJTBが同プロジェクトに参加する丹後機業の工房見学を観光コースに組み入れたツアーパッケージを企画販売する予定。
販売拠点は夕日ヶ浦温泉・佳松苑に一本化、売り場も独立させ機業と販売スタッフによる商品開発のストーリーが語れる研修も行い、本格的に丹後機業とJTBの開発による絹織物製品を販売、観光消費額の拡大を狙う。「伝統産品である丹後織物をリブランディングするお手伝いができればと考えている」(石村英之法人事業本部事業推進部地域交流事業推進担当部長)と意気込む。
