ジョイアーバン 百貨店を“滞在型観光施設”に再生

2019/11/25 06:30 更新


 ジョイアーバン(鳥取県米子市)は22日、百貨店をリノベーションした複合施設「グッドブレスガーデン」をオープンした。米子市から譲り受けた米子高島屋東館を、中心市街地活性化事業の位置付けで「滞在型観光施設」に転換したものだ。中心市街地活性化の「第一歩」(宇田川正樹社長)としており、今後、20年3月に取得する米子高島屋本館のマスタープラン作成をなどに取り組む。

(吉田勧)

 グッドブレスガーデンは1~7階で、美・健康・癒やしをテーマにした「コト」を集積した。1階は本格四川料理の「五智」とカフェ&レストラン「オン・ザ・テーブル」、2階が九つのゾーンで構成するオリジナルフィットネスクラブ「ナインズ」、3~4階が約20万冊を揃えた「米子マンガミュージアム」と4階の一部にマッサージ、5~7階がホテル、大浴場やサウナ・岩盤浴などの温浴施設で構成している。1階の飲食店以外は、全て同社が直営で運営しているのが特徴だ。百貨店顧客や観光客を含めた幅広い客層の利用を見込んでいる。

グッドブレスガーデン
本格的なフィットネスジムの2階「ナインズ」
様々な部屋を配した「米子マンガミュージアム」

 東館は、官民一体での地域活性化の促進を狙い17年度末に米子高島屋が米子市に無償譲渡したもので、公募した活用事業者になったのがジョイアーバンだ。宇田川社長は「本館あっての開発で、本館なくして角盤町エリアの復活はないと考える。コトの提案は本館との相乗効果を見込んだもの。今回は第一歩。必ず再生できると思っている」と話す。

 同社は、角盤町にある約400台の立体駐車場「える・もーる駐車場」を18年6月に取得し、今秋に情報発信機能を付加した「イースティー・プレイス」に改装している。10月には高島屋から米子高島屋の全株式を20年3月に取得すると発表した。米子高島屋は、親会社は変わるものの、社名や社員、ハウスカードや外商などの顧客基盤、既存システムなどは全て引き継ぐ。「街作りにスピード感をもって取り組む」(森紳二郎米子高島屋社長)ことが狙いだ。

 本館の改装計画はこれからだが、「四川料理店のソファや温浴施設のガウンなどが本館にあってもよい」(宇田川社長)とし、体験と販売の連動を想定しているようだ。角盤町商店街振興組合の代表理事を森社長、宇田川社長が副理事となって商店街活性化事業も進めている。これまでにない形で、中心市街地を活性化する取り組みが動き出した。

宇田川社長


この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事