ジャーナルが「ジープ」と協業 相乗効果狙う

2017/07/24 04:28 更新


 ベイクルーズグループはセレクトショップの「ジャーナルスタンダード」で、自動車の「ジープ」と協業している。車とファッションで商品分野は異なるが、アメリカをルーツとしている点で顧客の趣味嗜好に共通点が多いと判断した。すでにウェアや家具、食品で商品も販売している。互いのSNS(交流サイト)やサイトを通じて協業プロジェクトの情報も発信し、双方のファンの交流、両ブランドの認知向上を目指す。

 きっかけは、それぞれの業界が抱える構造問題だ。ファッションでは大手SPA(製造小売業)の占める割合が高まり、廉価でそれなりの服が買えることが当たり前となった。ジャーナルスタンダードは今年で20年目。こだわりのアメカジを売る店として26店を出したが、成長を続けるにはコアなファンを増やす必要があった。

 一方のジープは昨年で誕生から75周年。米国の軍用車両として開発された経緯もあり、タフで男っぽい車というイメージが強かったが、11年ごろから、日本市場では野外フェスへの協賛なども行い、過酷な環境に耐えうる性能を持つ車としてよりはむしろ、高級感を備えた「街乗りで使える」SUVのブランドとしての訴求を強め、販売台数を伸ばしてきた。

 ただ、日本の自動車市場で海外メーカーのシェアは10%に満たない。ライフスタイルの変化から新車販売台数自体も減少傾向にある。自助努力だけでは需要がいずれ頭打ちになると考えた両者は「アメリカの匂い」をブランドの付加価値としている共通項を生かし、互いの顧客やファンをつなげることで、新規客を拡大しようと目論んだ。

 両者が組んだプロジェクト「クリエイティブ・ガレージ・バイ・ジープ」で、4月からTシャツなどコラボ商品を企画し、ジャーナルスタンダードで販売しているほか、系列の飲食店や家具店でも協業商品も作った。双方の商品を愛用するユーザーやコラボ商品の情報をサイトから発信もしている。ジャーナルスタンダードがプロデュースする限定車も作る。

 今秋から、ジャーナルスタンダードが考えるジープをイメージしたコーディネートを全国に約90あるジープのディーラーの販売店でコーナー販売する。コラボ商品を作るだけではなく、見せ方や売る場所、情報発信の方法も工夫することで、自社の商品を使ったライフスタイルのイメージを分かりやすく伝え、相互に新規客獲得を狙う考えだ。

個々の商品ではなく、それを使ったライフスタイルを伝える



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