京東集団と山東如意が戦略的業務提携

2018/09/07 14:40 更新


 中国EC大手「JDドットコム」を運営する京東集団(JD)は4日、中国の繊維大手、山東如意科技集団(山東如意)と戦略的業務提携を締結したと発表した。

 双方の強みを生かし、JDはオンラインとオフライン、物流機能を融合させ、消費者がオン・オフラインの境界を越えて快適に買い物ができる「ボーダーレスリテール戦略」を推進する。「自社物流やビッグデータ分析、金融など各分野で蓄積してきた機能をブランドやメーカーに開放し、高効率なサプライチェーンを構築する」(劉強東CEO=最高経営責任者)という。山東如意は「JDのテクノロジーのサポートを得て、スマートファクトリー化や、ファッションブランドやボーダーレスリテールを発展させるためのビジネスモデルを形成したい」(邱亜夫董事局主席)としている。

 オフライン・オンラインでの両社の物流プラットフォームや物流ルートを一体化させた「スマート物流システム」を構築する。倉庫の配置、運送・配達経路を含めた物流ルートを短縮化し、輸送体制を合理化する。サプライチェーンでは、JDのノウハウを山東如意に提供し、山東如意の需要予測や在庫管理、管理におけるブロックチェーンのトレース偽造防止、ユーザー分析、価格設定などに活用する。

 山東如意のブランドのJDのECプラットフォームへの出店も加速させるという。

 また、両社でファッション専門のファンド「如意・京東流行産業イノベーション発展基金」を設立し、世界的なファッションブランドを含めた新規、新興ブランドに対する投資プロジェクトなども進める。

 山東如意科技集団はレナウン、SMCPグループ(仏「マジュ」「サンドロ」など)、香港の紳士服チェーン大手のトリニティなど、20以上のグローバルブランドを傘下に持つ。JDは中国でアリババグループに次ぐEC売上高の「JDドットコム」や越境ECプラットフォーム「JDワールドワイド」を運営。自社物流を構築し、中国国内に主要物流6拠点と約500の物流倉庫を持つ。近年では無人スーパーの出店やテクノロジー分野にも積極投資している。

業務提携締結式を開いた


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