伊藤忠商事繊維カンパニーは、デサントの完全子会社化で、基礎収益力を350億~400億円規模に引き上げる。その上で純利益(IFRSベース)500億円実現に向け、武内秀人執行役員繊維カンパニープレジデントは、「ポートフォリオをしっかりと磨けば(純利益500億円)近くまではいけるのでは。そこに大型ブランドか事業会社などプラスアルファが必要かもしれない」と話した。
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得意分野を塊にしたポートフォリオは、単体を軸に、スポーツ、シューズ、中高級品ブランド、カジュアル、OEM(相手先ブランドによる生産)、海外がある。しかし「活用しきれていない」との問題意識だ。アパレル事業会社の業績回復が遅れている点について、コスト高に加え、「前年踏襲型で判断が遅れている。攻めるには度胸が必要で、ギアチェンジしないといけない」と運営を見直す。アパレル、小売りのノウハウを得るため、バブアーパートナーズジャパンなどに中堅社員を出向させるなど手を打っている。また事業会社のトップに外部人材を起用することも選択肢に入れる。
物作りに強いファッションアパレル(FA)部門とブランドマーケティング(BM)部門を融合した総合力の発揮も重要。例えばBM部門にひもづくジョイックスコーポレーションにFA部門の人材を入れ物作りの力が格段に高まった。また直営出店を強めるエドウインにBM部門の人材を入れブランディングやVMD力を高めるなど相乗効果を出していく。小売り事業を強化する中で、各事業会社で行っている店舗開発を伊藤忠本体の人材が担当することも検討する。様々なブランドを提案することで出店の幅が広がり、ディベロッパー、SC側にもメリットがあると考える。