イタリアの有力タンナー2社が展示商談会 伝統のクラフトマンシップを継承し、高性能の皮革製品を開発

2023/06/23 07:58 更新有料会員限定


通気性、柔軟性、耐摩耗性とともに防水性を備えた「ロードソール」。当初はゴルフ用途として開発したという

 イタリアのタンナーの「ピオ・ドゥジーニ」と「イタルペル」は6月中旬、伊大使館貿易促進部の展示ルームで、展示商談会を開いた。ともに家族経営の有力タンナーで、イタリアの皮革品質認証機関が審査する、環境や安全衛生、社会的責任の認証「ICEC」を取得。自社製品の特長、クオリティーへの理解を深めてもらうことを念頭にアポイント制の商談を行った。

(須田渉美)

 ピオ・ドゥジーニは、1830年にトレンティーノ・アルト・アディジェ州のクレスで創業したソールレザー(靴底の革)に特化したタンナー。当初はタンニン革専門のなめし革工場だったが、靴産業の発展とともに1980年代末にソールの製造を開始。紳士靴製造に強いマルケ州のモンテグラナーロに研究・製造拠点を開設した。グッドイヤーウェルテッド製法などの高級紳士靴を中心に、ピット漕なめしとドラムなめしを併用して高性能のソールを提供する。英国やフランスのメゾンには「一定基準の品質が守られていること」が評価される。250キログラム以上の牡牛の原皮を使い、長年の経験をもとに製造工程を管理し、バット(尻革)の3~6ミリで靴メーカーから手製靴向けまで幅広いニーズに応えている。年間供給量は約350トン。

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