インビスタジャパンは高強力素材「コーデュラ」で日本独自のSNSマーケティングに成功している。公式ユーチューブが素材ブランドとして異例の登録2万人を突破、趣味性の高いコンテンツを充実してインスタグラムと使い分け、採用ブランドへの波及効果も生まれている。
日本公式ユーチューブ「コーデュラチューブ」は20年10月に開設した。スタート時は登録者数が伸び悩んだが、コンテンツが充実するにしたがって増え、22年7月に1万を突破、このほど2万人をクリアした。素材ブランドのユーチューブで登録2万超えは異例。コーデュラのグローバル(2800人)や人気ブランド「ゴアテックス」のグローバル(1万3000人)を上回る。
単なるプロモーション動画にとどまらず、コーデュラを採用するブランドとコラボした商品解説・レビュー、名物業界人らとの対談など多彩な企画をこまめにアップし、ショート動画にも力を入れる。
「ユーチューバーTK」として自ら出演するインビスタジャパンの川﨑隆史機能資材・アパレル部部長は、「コロナ下でユーチューブ参入が増えたが、うちは長期目線で腰を据えて取り組んできた。釣りやゴルフなど趣味に関わるコンテンツが好評で、ものの魅力をじっくり伝えられるのがユーチューブのメリット。消費者にコーデュラの認知も高まり、コラボ先からもリピートの要望が来るなど好評」と効果を実感する。
一方、先行した日本公式インスタグラムもフォロワー12万人以上とこちらも素材ブランドとして異例の影響力を持つ。プレゼント企画や採用ブランドとの相互フォローなどで好循環が生まれており、引き続き力を入れる。
今後は日本で成功したユーチューブをアジアに広げていく方針。タイ、台湾、韓国といった国・地域で親和性があり、日本版のコンテンツをそのまま翻訳して配信する計画だ。