《平成ストリートスナップ》恵比寿系メンズが熱い 新しい魅力のショップが集中(2002年8月23日付)

2026/04/10 06:00 更新NEW!


 90年代後半から00年代にかけて、本紙にストリートスナップの記事をたびたび掲載していました。30年近く前の、都会の一瞬を切り取っただけの記事ではありますが、その背景を店や企業に取材し、ときには売り上げなどの数字も入れていて、当時の商売の動きも少しわかります。“平成リバイバル”など様々なレトロが注目を集めている昨今、改めて読み返すことで、ビジネスに通じるヒントが見えてくるかもしれません。ベテラン記者が振り返ります。

※本文は読みやすく直しています。社名やブランド名などは原文のまま掲載します。

【関連記事】《平成ストリートスナップ》東京顔に神戸服 きれい系シフトで渋谷が変わる?(2002年5月17日付)

恵比寿系メンズが熱い ロゴよりデザイン、シルエット

2002年8月23日付


 東京・恵比寿から代官山、中目黒方面をうろつく男の子たちが元気だ。「裏原は暑くて。こっちは涼しくていいッスよ」――裏原は人であふれ返っていて、行く気がしない。恵比寿はまだ荒らされていないからゆっくり買い物できる、といったニュアンスだ。とはいってもこっちも人は多い。2、3人でつるんでゾロゾロ。彼らが買いたいショップは恵比寿周辺にある。〝恵比寿系〟が今、熱い。

 恵比寿西1丁目の五差路周辺に、男の子たちが目指すショップがある。駒沢通りを鎗ケ崎方面に歩き、西郷山通りを西に向かうコースもある。ハイト、パームストア、オールマイティー、ガルニ。それにウォッチアウト、バランスといったショップを巡る。それぞれの店の前に何人もの若い男性たち。ドアは引っ切りなしに開いて閉まる。

 西郷山通りのバランスの前には、ここで買ったウェアやキャップで全身かためた男の子。開店前の行列で知り合ったというもう一人と一緒だ。一番気に入っているのは切り替えデザインのデニムパンツ。気持ち太めのシルエットで、背景にはバスケットボールのスタイルや軽めのBボーイスタイルがある。

 五差路近くのハイトから出て来た男の子2人は、「欲しいブランドはみんなこっちにある。裏原は飽きた」。ひと目でどこのブランドと分かる図柄のTシャツなどは、もう着たくないのだそうだ。

 恵比寿系のウェアはロゴが目立たない。その代わりパンツのデザインやトップのたっぷりしたシルエットにインパクトがある。それが彼らを引き付けているようだ。まだ全国に知れ渡っていないブランドという、ちょっとした優越感も味わえる。

 ストリート雑誌の影響も大きい。恵比寿系をさらに熱くしているのは『サムライマガジン』(インフォレスト)。恵比寿周辺の新しいショップやブランドを取り上げて、男の子たちの人気をがっちり集めている。ただ、この雑誌は恵比寿系という呼び方は使っていない。「要は新しい所を取り上げるということ」と折原圭作編集長。裏原宿との違いなどを意識しているわけではなく、ミックススタイルが基本だ。人が集まり過ぎるようになり、進出できる店舗物件もない原宿には新興勢力は育たない。それで結局、「若く新しい力を持ったドメスティックブランドが恵比寿に集中している」という。

《記者メモ》

 この日のことはよく覚えています。路上でつかまえた男性たちが細かく親切に教えてくれて、新しい宝島を見つけた気分でした。後日、ここに出てくる店や企業に話を聞きに行き、そのビジネスについても取材しました。

(赤間りか)

関連キーワードピックアップニュース



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事