グッチ 銀座店で「横尾忠則 未完の自画像 - 私への旅」展

2025/05/01 10:59 更新NEW!


描き下ろしたばかりの自画像が並ぶ

 グッチは銀座店7階のギャラリーで、現代美術家の横尾忠則の展覧会「未完の自画像 - 私への旅」を開催中だ。書き下ろしの自画像をはじめとする28点が展示されている。8月24日まで。

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 60年代から多くのテーマに挑んできた横尾は、一つの「完成」に安住することなく、常に変貌(へんぼう)と挑戦を繰り返してきた。横尾はこれまでを振り返り、「未完の旅を続けてきた」と語っている。「旅」を想起させる作品を中心に、美術評論家の南雄介氏がキュレーションした。

 横尾作品といえばインパクトのある原色が多いが、今回のために書き下ろしたのは、柔らかな色に包まれた自画像。家族全員が揃ったもの、パートナーと手を取り合う姿などが描かれている。温かな雰囲気が伝わってくる作品が揃った。

 もう一つの見どころは、70年の大阪万博で手掛けた建築デザインを再現したインスタレーション。当時、繊維業界が出展した「せんい館」の建築デザインを担当した横尾は、完成間近でデザインを変更し、赤いドームの周りに足場や作業員の人形を配して未完の美しさを伝えた。その赤い足場がギャラリー内に復活した。屋上まで続くインスタレーションとなっている。

屋上には赤い足場のインスタレーションを再現した

 グッチは今年、アートとの関係をより強化するといい、「瀬戸内国際芸術祭2025」にパートナー企業として参加するなど、さまざまなプロジェクトを予定している。



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