繊維・ファッション企業が、ゴルフブランドのプレスルームを相次ぎ新設している。空間デザイナーの起用でおしゃれに仕上げるなどして発信力を高める。ゴルフ用品市場は昨年までのブーム的な盛り上がりは落ちつきつつあるが、見せ方・伝え方を一新し、プレスやバイヤーら業界関係者の関心を喚起する。
TSIは8月8日、ゴルフウェアブランドなどを運営するウェルネス&ライフスタイルディビジョンとして、新たなプレスルームを東京都港区にオープンする。入居するビルの地下3階を改装し、約350平方メートルの大空間に「パーリーゲイツ」「ニューバランスゴルフ」「セント・アンドリュース」「PGG」「オーサムゴルフ」などのブランドやカテゴリーを常時展示、それぞれの世界を体感できるようにした。
設計で起用したのは、ミラノが拠点の竹田克哉氏。「グッチ」や「ドルチェ&ガッバーナ」などのハイブランドのショップデザインの経験のある空間デザイナーだ。大きさの異なる白の丸いオブジェを天井からつり下げて雲のように見せたり、床の一部に人工芝を敷いてグリーンに仕立てたりと、窓のない無機質な空間を開放的なゴルフ場のように変えた。入り口付近には、気鋭のグラフィティアーティスト、ジェイ・フローが制作した壁画もある。TSIホールディングスの仙座学上席執行役員は「サンプルをただ並べるようなプレスルームにはしたくない。プレスやバイヤーが来たくなるところにしないと意味がない」と話す。
一方、地の利を強みとするのは、タキヒヨーでゴルフブランドなどを扱うメランジトップグループ。6月末に開設した新たなプレスルームは、東京メトロ北参道駅から徒歩4分、JR原宿駅から9分に立地するガラス張りのビル内に構え、眺望の良い7階に「ゾーイ」「ワック」「ボブ」を常時展示する。メディア関係者のリース依頼に迅速に対応し、展示会も開く。