イタリアのシューズブランド「ジャンヴィト・ロッシ」は25~26年秋冬、シグネチャーのパンプスやブーツを、幅広い色のスエードで提案した。どれも柔らかくきれいなニュアンスカラー。美しいフォルムのシンプルなアイテムを、ディテールに頼らず色のみで彩った。潔いクリエイション、そのベースにある美意識について、創業者でクリエイティブディレクターのジャンヴィト・ロッシさんに聞いた。
(青木規子)
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ジャンヴィト・ロッシにとって色は、とても重要なものです。靴を豪華に装飾することも可能ですが、美しい色で彩ることは最高の喜びなのです。例えば、桜もあの美しい色こそが魅力です。だから今回は、シンプルの中に色を際立たせることに注力しました。それが最もエレガントなことですし、美しさを最大限に表現できると考えています。
それができるのも、パンプスが完璧なフォルムだから。ファンも多く、ベストセラーです。
コレクション作りでは、二つの側面を大切にしています。一つは進化。今まで作ったコレクションを一つひとつ進化させるために微調整を重ねてきました。もう一つは革新です。全く新しいテーマやコンセプトに挑み、表現しています。ロイヤルカスタマーがたくさんいるブランドですので、パンプスを気に入ったら、違う色や違うヒールも探しに戻っていらっしゃる。そういう方々が世界にいるので、進化と革新は大切なのです。
新しい世代へのアプローチも重要なことの一つです。その点については、一緒にコレクション作りを行う娘のソフィアの視点が重要になると考えています。ヘリテージを引き継ぎながら、20代の娘と一緒に物作りできることはとてもラッキーです。
■ソフィア・ロッシさんの話
私自身の世代は、汎用性のある世代です。同じ人でも日常の中でスタイルがすごく変わりますよね。日中はスーパーカジュアルでも、夜はスーパーエレガントに変身できる。それが全てにおける姿勢なので、0から100にぽんと変えられる。その中で重要になるのは、魂があるかどうかです。そういう部分を絶対に変えずに、カジュアルやエレガンスを表現することが大切だと思います。