【パリ=松井孝予通信員】今年7月末をめどに欧州撤退を発表していた米「ギャップ」のフランス国内21店が、フランチャイズで営業を継続することが明らかになった。
フランス人実業家ミッシェル・オハイヨン氏が率いるフィナンシエール・イモビリエ・ボードレーズ(FIB)が仏ギャップを1ユーロ で買収、在庫品を推定で1500万~2000万 ユーロ で買い取り、従業員の96%にあたる370人を引き継いだ。FIBはギャップ再建計画としてデジタル化とマーケティングに注力し、フランスにはなかったプラットフォームを立ち上げる。
FIBは既に百貨店ギャラリー・ラファイエット地方店22店のフランチャイズ、また大手玩具小売りチェーン店を所有していたが、コロナ禍により昨年経営難に陥った大手ファッション小売りチェーン店とスポーツ用品小売りチェーン店を傘下に収め注目を集めた。
仏ギャップの買収を機に、FIBはトータルで1000店を統括する企業としてハーモニー・ピープル&ブランズ(HPB)を立ち上げた。今後グループ企業間での物流や、クリック&コレクトを共有化し、新しいビジネスモデルを構築していくとみられる。