優秀な人材確保へFR、クロスの主張

2015/04/09 05:27 更新


ES向上で社員とともに発展する

 優秀な人材の確保・育成に向け、企業の発信が目立ってきた。全産業で労働者が不足、ファッションビジネス業界の不人気も続く中で、経営の理念や人事制度、人材育成の考え方を提示することが、これまでに増して重要になっている。

柳井FR会長兼社長ー終身雇用が一番 問題あれば「すべて改善へ努力」

 「社員とともに会社が発展し、(社員が望んだ)結果としての終身雇用が一番良いと思っている。私もそのために努力しているし、経営陣も店長以下も全員がそう思っている」。ファーストリテイリング(FR)の柳井正会長兼社長は同社の新卒採用イベントで、採用に対する考え方について語った。

 柳井会長は昨年12月に開いた採用イベントの際もブラック企業批判に反論したが、今回の講演の冒頭でも「我々は決してブラック企業ではない」とし、過重労働やパワハラに当たる事例があった場合は「厳罰に処している」と改めて強調した。

 ブラック企業との風評が広まった理由として「グローバル化、英語公用語化、店長育成を急ぎすぎたことなどが関係している」と説明した。そうした状況は現在「かなり改善している」とした上で、「(参加者の)皆さんにはどんな質問でもしてほしい。我々は全情報を社員に公開しているし、問題点があれば全部直す」と呼びかけた。

石川クロスカンパニー社長ー「正社員比率75%守る」 非正規雇用は「体験入社」の考え方で

 「正社員比率は75%を守る。彼らの給与を3年後に15%アップさせたい」と話すのは、クロスカンパニーの石川康晴社長。正社員のみだった雇用形態を今春から変更し、非正規へ門戸を広げた。その理由は、正社員の待遇改善と販売員の地位向上に目的があると示した。

 同社は創業以来、販売職を正社員で雇用し続けてきた。今後もES(従業員満足)による生産性向上を守るため、正社員比率75%を社内ルールとして決めた。非正規雇用で抑えられた金額は正社員に還元し、非正規雇用が多い小売業界の中で、正社員の待遇と地位向上に貢献する。

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