第35回イエール国際フェスティバルが10月15~18日、南仏イエール市ヴィラ・ノアイユで開かれた。毎年4月に開かれるが、新型コロナウイルスの影響で延期されていた。
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メインは新人デザイナーを対象にしたコンペティション。35回を記念してジョナサン・アンダーソンが審査委員長を務めたが、渡仏できずリモートで審査が行われた。
グランプリのプルミエール・ヴィジョン(PV)賞は、ベルギーのトム・ヴァン・デル・ボルト(42歳)のメンズウェアコレクションが、イエール市民賞とダブルで獲得。PVから奨励金2万ユーロ、「シャネル」から傘下のアトリエ、メティエダールとの2万ユーロ相当の協業制作権が与えられた。
ヴァン・デル・ボルトはクリエイター兼パフォーマンスを得意とするアーティスト。27歳で遺伝性神経障害に苦しみ、人生で本当に大切なことについて考えたという。受賞作はカーニバルの仮装衣装のように突飛で大胆でカラフル。仏メディアに対し、「新しいラグジュアリーの定義を見つけたかった。着る勇気があれば着られる。すべての制約から解き放たれる時代が来た」とコレクションについてコメントした。素材はストック、リサイクル、廃棄物。バッグはすしの産業廃棄物の魚の皮で制作した。
クロエ賞は仏のマルヴィン・エムトゥモ、シャネルメティエダール19賞は仏のエマ・ブリュスキが受賞した。
(松井孝予通信員)