「SUUE SUUE」 生活の価値観から着想を得る《ちょうどいいといいな ファッションビジネスの新たな芽》

2026/09/30 11:30 更新NEW!


「日常の延長線上で取り入れてほしいアイテムを揃えた」と須川さん

 「1枚じゃ着られない服」をコンセプトに掲げるレディスウェア「SUUE SUUE」(スースー)。27年春夏向けに、レイヤードアイテムに特化した9型のファーストコレクションを発表しました。ブランドを運営する須川知加子さんに物作りへの思いや事業展開について聞きました。

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手持ちにプラス

 須川さんは、文化服装学院の流通専攻科を卒業後、VMDなどを経てメンズ雑誌のEC事業で10年間勤務。オリジナル商品の企画開発を中心に、仕入れのバイイングなど幅広い仕事を経験しました。今年3月に退社、4月に台東区のインキュベーション施設「浅草ものづくり工房」に入居してスースーを立ち上げました。

 「理想と現実の間を埋めるアイテムを提案していけたらいいな」と須川さん。同世代の子育て世代は、動きやすさや汚れる可能性を考えて服を選ぶことが多いです。送り迎えの合間のレストランでのランチには、普段着のTシャツにブラ型ビュスティエを重ねると、華やかな装いになります。顧客に寄り添って「日常の延長線上で取り入れてほしいアイテム」を考えます。手持ちのTシャツやシャツ、デニムなどのベーシックな服と重ね着できる、ビュスティエ、ラップスカート、シアーパンツといったラインナップで「その服の可能性をより広げる」提案をしています。

ラッセルジャカードの生地を使ったワンピース

届け方を考える

 須川さんは前職で、幅広い客層に向けてシーズンごとに商品を企画して販売する業態に携わりました。規模の大きなブランドの現場で経験を積む一方で、こうした運営方法に、自分の思い描くアパレル事業の在り方とは違う思いを抱くようになりました。スースーが目指すのは、小さな規模で運営し、セールをしなくても成り立つブランド。毎シーズン、ディテールや生地などを少しずつ変えながら更新したいと考えます。

松屋浅草店の「浅草・匠のすぐれモノ展」にブランド初のポップアップ出店をしました

 既存のパターンを大きく変えずに新鮮さを出すことができないか、デザイン上の特徴と同時に、生産面の負荷を抑える工夫を思案します。

 定番商品を育てたいと考える背景には、気に入った服をもう一度買いたいと思っても、翌年には同じ商品がなくて買えなかった経験もあるそうです。また、「お客様の手元にあり続ける」存在でありたいと、着用によって傷んだ商品の修理や、飽きてしまったり、体形の変化で着られなくなったりした商品を受け取って、形を変えて再び返すことも構想しています。

「1枚じゃ着られない服」がコンセプト

 ものづくり工房の入居期間は3年で終了します。その時には製作スタッフも迎えて法人化すること、好きな街だという台東区蔵前周辺に、ショップ兼事務所を構えることを一つの目標にしています。コーヒーが飲めるスペースも備えて、様々な人が出入りできる場所を目指しています。

■ベイビーアイラブユー代表取締役・小澤恵(おざわ・めぐみ)

 デザイナーブランドを国内外で展開するアパレル企業に入社、新規事業開発の現場と経営に携わる。14年に独立しベイビーアイラブユーを設立。アパレルブランドを中心に、ブランディングと事業推進を軸とした支援を行い、デジタルやデザイン領域まで横断的に手がけている。



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