小口貨物への関税、EU共通制度に 中国発ECの物流モデル転換へ

2026/07/16 17:30 更新NEW!


 【パリ=松井孝予通信員】EU(欧州連合)は7月から、域外から輸入される150ユーロ未満の小口貨物を対象に、商品カテゴリーごとに3ユーロの関税を導入した。中国発ECの流入抑制と税関検査の強化が狙い。これに伴い、フランス政府は3月に独自導入した2ユーロの監視手数料を停止した。当初は両制度を併用する方針だったが、EU共通制度への移行を優先した。

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 背景には、フランス単独措置の限界があった。中国系プラットフォームは貨物機でベルギーなどへ輸送し、陸路でフランスへ運ぶルートへ切り替えたため、税収は想定を大きく下回った。仏政府は「EU全体で対応する環境が整った」と説明し、制度の一本化にかじを切った。

 EUは今回の措置で小口貨物を大量に送り込む現在の物流モデルから、コンテナ単位で欧州へ輸入し、域内で配送する仕組みへの転換を促す考え。膨大な数の小口貨物よりも、まとまった貨物の方が税関検査や安全基準の確認を効率的に行えるため。

 一方で中国発ECは対応を進めている。シーインはポーランドに約74万平方メートルの大型物流拠点を整備し、欧州の1億人超の顧客への供給拠点とする計画だ。小口直送から、海上輸送で一括輸入し、欧州域内の在庫から配送する方式への転換が進めば、アマゾンやザランドなどと同様の物流モデルへ近づくことになる。

 11月にはEUで新たな管理手数料の導入も予定される。小口直送を競争力の源泉としてきた中国発ECは、欧州域内に物流拠点を置く在庫型モデルへの転換が進むとみられる。

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