日本エシカル推進協議会(中原秀樹会長=東京都市大学名誉教授)は4~6日、東京・品川プリンスホテルで第1回エシカルサミット「エシカル2018」を開催している。「エシカル(倫理的)・サステイナブル(持続可能)な消費と生産の先進的取り組み」をテーマに、実践・研究する企業や行政、非営利団体、教育機関などから3日間で約50人が講師となって講演やパネルディスカッションを行っている。企業のCSR(企業の社会的責任)担当者や経営者、関心の高い個人、学生ら230人超が参加している。
4日は、エシカルサミット実行委員長の山本良一日本エシカル推進協議会名誉会長・東京大学名誉教授、庄子幹雄マサチューセッツ工科大学客員教授・オリックス名誉顧問らのあいさつに続き、小林喜光三菱ケミカルホールディングス取締役会長が「地球と共存する経営」と題し、サステイナビリティー向上、イノベーション創出、資本の効率化の三つを軸とした企業価値を向上させる経営について特別講演した。
小池百合子東京都知事と山本実行委員長による「エシカル都市TOKYOの実現を目指して」のトークセッションでは、東京都の食品ロス削減やグリーンボンド(環境問題対策になる取り組みに使い道を限定して発行する債券)発行、都市農業の持続性、オリンピック・パラリンピックの調達基準など東京都の政策について触れ、山本実行委員長は「東京が〝エシカルタウン〟を宣言して欲しい」と要望した。
初日はほかに、竹村眞一京都造形芸術大学教授、岡村和美消費者庁長官、根本かおる国連広報センター所長らによる地球環境問題やSDGs(国連の持続可能な開発目標)に関する講演や、中島佳織フェアトレードラベル・ジャパン事務局長、岩附由香ACE代表、岡田千尋アニマルライツセンター代表理事らによる「エシカル・サステイナブル消費普及の課題」についてのパネルディスカッションも行われた。最終日の6日には「エシカルサミット宣言」を発表する予定。
エシカルサミットは日本エシカル推進協議会が主催、消費者庁が後援する。イオン、イケウチオーガニック、サエラ、Jフロントリテイリング、パスポート、三菱ケミカルホールディングスなど繊維・ファッション企業も含め16社が協賛している。

