ファイバーシーディーエム(大阪府泉南市)が運営する古着ショップ「キンジ」は、リメイク古着ブランド「エラズマス・ダーウィン」の拡販を本格化させる。凝ったデザインや手の込んだ加工が強みの高価格帯ブランドに位置付け、古着販売に次ぐ新事業としての役割を期待する。
同社は21年ごろから、キンジの店頭で数千円程度の低価格なリメイク古着を販売をしてきた。そうした中で、より本格的なリメイクブランドを作る構想が生まれ、22年に立ち上げたのがエラズマス・ダーウィンだ。「進化していく」という決意になぞらえ、ブランド名は進化論で有名なチャールズ・ダーウィンの祖父から取った。
「サステイナブル(持続可能)な取り組みだが、とはいえかっこよくないと売れない」とし、デザインには特に力を入れている。専門学校出身の社員がデザイナーを務め、パターンからオリジナルで起こす。解体、縫製、加工も社内にある作業スペースで行う完全内製型のスタイルだ。
材料は主に売れ残った古着で、代表的なアイテムは数枚のTシャツを解体後に再構築した一点物のカットソー。土産ショップで売られていたようなものや、派手すぎて手に取られにくいものも使うため、個性が強くインパクトがある仕上がりだ。様々な形のジーンズをつなぎ合わせ、手作業でダメージ加工したパンツなども企画している。
カットソーで約1万5000円、ジャケットで約4万円、パンツで約3万5000~4万円。加工に凝ったものでは9万円ほどの商品もある。
2月には新宿で開催された合同展「ニューエナジー」にも出展。今後は「展示会への参加やメディアへの衣装提供などを通して知名度を高め、卸や期間限定店で販路を広げていきたい」という。