22年の衣類国内供給量 輸入が膨らみ前年比2.5%増 輸入浸透率は98.5%へ上昇

2023/06/21 06:26 更新


 22年の衣類国内供給量は前年比2.5%増だった。日本繊維輸入組合が公表した「日本のアパレル市場と輸入品概況2023」によると、数量は37億2770万点。コロナ禍の影響で落ち込んだ20年と比較すると、21、22年は回復基調だったが、19年実績(39億8432万点)には届いていない。

 国内供給量は輸入の増加によって押し上げられた。輸入は2.6%増で、2年連続の増加。ただし、最大の輸入相手国である中国からの輸入は1%減だった。〝ゼロコロナ政策〟が影響したと見られる。ASEAN(東南アジア諸国連合)は13.8%増、バングラデシュは5.1%増で、全体をけん引した。

 ASEANのうちベトナムは14.7%増と大幅に伸ばした。ミャンマーは62.3%増。軍事クーデター以降、「人権の観点で欧米からの受注が減少し、空いた生産スペースに日本のオーダーが入った」(繊維輸入関係者)ことで、日本向けの生産が増えたと見られる。

 輸入は増えたが、国内生産は2.8%減の6690万点となった。輸入品の割合(輸入浸透率)は前年より0.2ポイント高い98.5%。比較可能な00年以降で最も高い割合となった。

 一方、輸出は9.9%増の954万点。衣類供給量全体に占める割合はわずかだが、08年以来の900万点台となった。

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